現在医療教育の課題を突破する
SIRIUSプロジェクトは、現在の医学教育の行き詰まりを打破し新しい教育モデルを作るための取り組みです。
佐賀でしか実現できない優れた教育システムを構築し他の地域や国にも影響を与えることを目指しています。
SIRIUSプロジェクトには、研修医や医学生が必要なスキルを身につけそれを応用できるようにするための全ての要素が詰まっています。

小田 康友
医療教育の現状と挑戦
私たちの最も大きな目標は、医学生に多くの経験をしてもらいながら成長し、優れた研修医、そして優れた医師として佐賀で活躍してもらうことです。これにより、地域医療を強化し、佐賀県内で質の高い医療を提供できる医師を育てることを目指しています。しかし、その背後には、もっと大きなビジョンがあります。それは、日本、さらには世界に誇るべき教育システムを作り上げることです。
教育システムの標準化とその重要性

私たちの教育システムの一つの特徴は、その標準化にあります。全国的に統一された教育カリキュラムと試験制度により、学生が基礎的な診療技能を確実に身につけられるようにしています。しかし、現場でその技能を実際に応用する場面が不足しているという問題も抱えています。これを解決するために、SIRIUSプロジェクトは、現場での実践を重視した教育モデルを提供します。また、医師として後輩の育成は避けて通ることができません。将来的にはマネジメント人材として、後世を育成していく力を付けていきます。
総合診療能力の育成と研究
SIRIUSプロジェクトのもう一つの重要な目的は、総合診療能力を持った医師を育成することです。患者は一つの病気だけでなく、複数の疾患や背景を抱えていることが多いため、幅広い診療能力が求められます。佐賀大学は、この総合診療能力の育成に力を入れており、地域包括ケアの一環として、患者を全人的に診ることができる医師を育てています。また、働き方改革などのよって、学生、研修医の研究の機会が少なくなっています。学生の時から研究の機会を作り、研究者としての道を作り続けます。
サテライトシミュレーションセンターの設置
シミュレーターを使ったトレーニングは、学生や研修医が技能を修得するための非常に有用な手段です。佐賀大学には豊富なシミュレーターが配備されていますが、臨床実習の20%を占め、初期臨床研修医も多く集まる市中病院では、その配備は十分ではありません。SIRIUSプロジェクトでは、佐賀県内の医学生や研修医が、実習や研修の場に関わらずトレーニングできる場を提供するため、佐賀県二次医療圏の中心となる医療機関に佐賀大学のサテライトシミュレーションセンターを設置します。医学生や研修医への指導だけでなく、地域の医療者を対象としたシミュレーショントレーニングに広範に活用していただくことによって、県全体の教育研修環境を整備します。
未来への展望
私たちが目指す未来は、佐賀から全国へ、さらには世界へと影響を与える医療教育モデルの構築です。これにより、医師が地域で活躍し、患者に対して幅広い診療能力を発揮できるようになります。総合診療能力の重要性はますます高まると予想され、そのための教育モデルを佐賀から発信することが、私たちの使命です。SIRIUSプロジェクトに参加し、一緒に新しい時代の医療教育を築いていきましょう。

